MyPicks: F35戦闘機 最大100機追加取得へ 1兆円、政府検討 (日本経済新聞)

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このニュースを理解するには、航空自衛隊保有するF-15J戦闘機の「MSIP」について知る必要がありますね。

MSIPとはF-15J戦闘機の「段階的能力増強計画(Multi Stage Improvement Program)」です。F-15J戦闘機の「拡張性」を考える上で、このMSIPへの対応有無は非常に重要な問題となります。
パソコンで考えるなら「USBポートや映像端子の有無」とか「マザーボードのソケット・スロットの汎用性」みたいなものです。

航空自衛隊のF-15J戦闘機のうち、導入年代が古い機体(Pre-MSIP機:F-15SJ)はMSIPに対応していません。要するにUSBポートがない古いPC。
一方で、導入年代が新しい機体(J-MSIP機:F-15MJ)はMSIPに対応しています。PCならUSBが使えるのでマウスもキーボードも使えます。
すると、新しいF-15MJなら設計段階から将来的な拡張性(レーダーや電子機器の換装など)を考慮しており、新型のレーダーやミサイルを搭載できる。
一方で古いF-15SJは新型のレーダーやミサイルの搭載に際して「大手術」が必要になってしまいます。しかも、コストの掛かる大手術をしたところで、能力向上が見込めるとしても第4.5世代戦闘機相当。

中国やロシアがステルス能力を有する第5世代戦闘機を配備していることを考えると、F-15SJを大手術するくらいなら第5世代戦闘機であるF-35を導入してしまおう、というのが今回の流れですね。


「時代はサイバーセキュリティ」という意見も分かりますが、敵国に占領された島嶼はどんなに優秀なクラッカーでも奪還できません。また、戦闘機の「ステルス能力」の有無は極めてハードに依存する(機体形状や塗装など)ため、ハードウェアをアップデートしないことには現代の戦闘に追従することは困難です。

追記

「なぜ100機も!?」とのコメントもあるので補足すると、F-35で置き換えるF-15SJが約100機あるからです。
いつまでも老朽化した戦闘機を飛ばすのは安全上からも問題がありますし、敵国に対する優位性を損なうことにもなります。
中国が目を見張るペースで軍備を拡張していることを踏まえると、これでも「ギリギリ」の数じゃないでしょうか(詳細はオペレーションズ・リサーチ等で検証する必要もありますが。。。)